横浜木村浩吉監督(48)が今季限りで退任することが3日、決定的となった。近日中に発表される。天皇杯を含む今季の残り試合は、木村監督が指揮を執る予定。同監督は昨年7月からチームを率い、昨オフには今季からの3年契約を結んでいた。ただ開幕から1度も上位争いに加われず、チームは現時点で10位に低迷している。契約は2年を残すものの、監督交代を断行してチーム改革を図ることになった。

 嘉悦社長代行は7月の就任以来、「現状で満足していいクラブではない。強いマリノスを取り戻したい」という考えを強調し「来年、再来年に優勝争いをする」と目標を掲げた。OBにも精力的にアプローチし、今後のチーム作りについて意見を聞いて回っていた。今季は連敗がないものの、連勝も2度だけと、波に乗れなかった。日本代表MF中村俊輔(エスパニョール)の獲得に失敗するという誤算があったが、選手起用など、采配の問題点も大きかったと判断されたようだ。

 ただ、木村監督が積極的に起用したことで、若手は成長している。ルーキーFW渡辺は開幕から起用され、結果を残している。MF狩野、長谷川らも飛躍への足がかりをつかんでいる。後任監督は、これら若手の育成を継続していくとともに、勝利を目指せる人材を検討していくことになりそうだ。

 04年の優勝を最後に、9位、9位、7位、9位、今季も現在10位と上位にも進出できていない。強豪復活へ向け、新たな1歩を踏み出す。