クラブ史上初の2部リーグ降格が決まった千葉が、2年ぶりに高卒新人を獲得することが9日、分かった。東京・成立学園高の188センチFW戸島章(3年)と、山梨・日本航空高のGK佐藤慎之介(3年)で、2人ともU-18(18歳以下)日本代表候補に入った逸材。来季の新加入が内定し、今月中には正式発表される見込みだ。

 千葉幹部は「うちは若手育成に力を注いできたクラブ。今年の反省もふまえ、高卒新人のスカウトに力を入れ、ユースのスタッフも組織変更して強化していきたい」と話した。

 最終節で2点差を逆転して残留を決めた昨季のシーズンオフは、即戦力を中心に中後、和田ら他のクラブからの補強を進めたため、高卒や大卒の新人の獲得はゼロだった。しかし、その補強も実らず、前身の古河電工時代から唯一守り続けてきた1部リーグの座から転落した。結果を残せなかった上、オシム元監督が在籍していた当時のような若手も目立たない。そうした反省に立って、今後は、高卒の新人を積極的に発掘していくことにした。

 さらに若手育成の一環として、下部組織の一貫した育成と連携を高めるため、コーチにジュニア(小学生)とジュニアユース(中学生)、ジュニアユースとユース(高校生)の指導を兼任させることになった。「1年でJ1に戻す」(三木社長)という方針と並行して、名門復活へ将来を見据えた「若手育成」に本腰を入れていく。