浦和のユースとジュニアユースでフィジカルコーチを務める池田誠剛氏(48)が、来年6月開幕のW杯南アフリカ大会に出場する韓国代表のコーチ就任要請を受けていることが14日、分かった。既に今月上旬、韓国協会(KFA)から浦和側に文書での正式オファーが届いており、月内にも同協会の幹部が来日して直接交渉する可能性がある。

 池田氏は、選手のフィジカル強化に科学トレーニングを導入した先駆者で、市原(現千葉)や横浜でトップチームを指導。MF中村俊やDF中沢、FW安貞桓やDF柳想鉄ら日韓代表選手のコンディショニングも手がけた。07年11月~08年3月には、Kリーグ史上初の日本人コーチとして釜山に所属。KFAも池田氏の実績と手腕を高く評価し、今季は9月のU-20W杯で洪明甫監督率いる韓国代表コーチに招聘(しょうへい)していた。

 今回、KFA側が提示した契約期間は、来年1月に予定されているA代表の海外遠征からW杯終了までの約7カ月間。ただ、池田氏は08年4月から浦和のアカデミー(下部組織)で中高校年代の指導を兼任しており、将来的なトップチームの戦力として若手の育成を重視するクラブ側としては、簡単に容認できない。

 KFA関係者は「W杯で結果を残すために、池田氏は絶対に必要な人材。契約期間など条件面の見直しも含めて、浦和側と粘り強く交渉したい」という。過去、日本人指導者がW杯の舞台で海外の代表チームのコーチを務めた例はないだけに、前代未聞のオファーと言えそうだ。