「わがまま封印」で、3月6日の開幕ベンチ(対湘南)へ滑り込む。国士舘大から加入のJ1山形MF伊東俊(22)が25日、27日に行われる最後の調整試合(対J1仙台、対鹿屋体大)で、ドリブル突破を封印し、連係面の向上を小林監督にアピールする。ここ数試合、ドリブルでボールを奪われカウンターを食らう場面が続き、指揮官からダメ出しをされていた。

 指揮官が「天才だと思う」と評価するほど、フットサルで鍛えた伊東の技術は高い。だが「能力が高くても、チームになってない(適応しない)と使えない」と、指揮官は手厳しい。伊東も、大学では通じる個人技も、プロでは簡単には通用しないことを悟った。

 ピッチでの荒々しさがうそのように、普段は口べたの伊東。「今(はメンバー選考から)落ちてる…。試合で周りを見ながら、最後のアピールをします」と言葉を振り絞った。声量は小さくとも新人の目は、開幕を見据えギラついていた。【山崎安昭】