浦和が、川崎FのMF谷口博之(25)に来季獲得の「電撃オファー」をしたことが11日、分かった。ブンデス移籍が決定的な日本代表MF細貝との契約更新交渉を打ち切り、緊急補強へ方針を転換。複数年契約による完全移籍での獲得を目指して、川崎F側に交渉を申し入れた。谷口は来季まで川崎Fとの契約が残っており、横浜からもオファーが届いているが、競合を覚悟の上でJ王座奪回への戦力を整える構えだ。

 浦和は、MF阿部(現レスター)が海外移籍する可能性があった昨夏以降、継続して谷口の動向を調査してきた。182センチの上背を生かした対人勝負の強さや06年に13得点を挙げた攻撃力を評価。08年北京五輪代表で、1月のアジア杯予選イエメン戦でA代表に招集されるなど将来性も期待されている。現有戦力では20代半ばの選手層が薄いこともあり、東京MF今野ら複数の候補者の中から、谷口に照準を定めた。

 谷口は今季リーグ戦27試合1得点と出場試合数は多い。だが、先発に限れば半分以下の12試合で、8月以降は1試合にとどまっている。川崎F側は基本的に本人の意向を尊重する方針で、条件面で折り合いがつけば移籍する可能性が高い。