【グアム2日=永野高輔】コンサドーレ札幌は、大宮と今季初の練習試合を行い1-4で敗れた。1-1の後半32分から3分で3失点。疲労で運動量が落ちた終盤に押し込まれ、クラブ史上、シーズン初実戦では最多失点となった。今季はDFラインに複数の新加入選手が入り、今キャンプも守備の連係強化が最重要課題となっている。石崎信弘監督(52)は新戦力の個人能力を評価しながらも、この敗戦をてこ入れの材料にする。

 いきなり4発食らった。前半開始2分に上原の得点で先制も後半17分、右クロスから1失点。同32分には左クロスから2失点目。同34分には右サイドを突破され3点目を失った。その1分後にも、縦パスでDF裏をつかれ痛恨の4失点。11年初の実戦は両サイドと中央から“フルコース”で崩され終わった。

 開幕前だからこそ負けることにも意味がある。石崎監督も平然としている。「もっとやられると思っていた。予想していたほどひどくはないよ」。DF石川、吉弘、藤山らセンターバック陣がチームを離れた。昨季から残るDF陣は岩沼だけ。ゼロからつくる守備面の課題探しが狙いだっただけに、ショックよりも、むしろ惨敗が好材料発掘につながった感じだ。

 課題だけでなく収穫もあった。特に指揮官はセンターバックで先発出場した河合、山下のコンビについては「初めてにしては、わりと良かった」と及第点を与えた。だが河合をボランチに上げた途端、立て続けに3失点。山下は「河合さんがうまくコントロールしてくれるのでやりやすかった。終盤は自分がしっかり声を出していかなければいけなかった」と猛省した。

 新外国人2人も攻撃面で能力の高さを見せた。MFブルーノは先制点の起点となる縦パスを出し、アンドレジーニョは得意のドリブルでアクセントを付けた。特にブルーノについては、的確な展開力に、前半ピッチサイドで観戦していた大宮MF藤本が思わず「あのボランチうまい!」と大声を出すほどだった。

 ブルーノは「連係はこれから。時間をかければもっと良くなる」とさらなるレベルアップを掲げた。今キャンプで攻撃練習はほとんどやっていない。守備の反省点あぶり出しに加え、外国人の能力確認という意味でも貴重な90分となった。