4連覇を阻止されV奪回を目指す鹿島は18日、宮崎キャンプを打ち上げた。オズワルド・オリベイラ監督(60)は、期待の新人MF柴崎岳(18)について「緊急の事態には、彼には右サイドバックもやってもらうことになる。いろんな経験を積ませたい」と新たなポジションへの転向を示唆した。

 新潟から移籍したDF西の調整が遅れているチーム事情もあり、クラブでは内田篤人(シャルケ)以来、史上2人目の高卒新人開幕スタメン出場の可能性が出てきた。

 前日17日のホンダロックとの練習試合では、柴崎は後半に左サイドバックで出場すると、途中から右サイドバックにポジションを変更。指揮官は「向上心を持って成長してくれている」と動きを評価した。

 青森山田では1年からボランチを任され、選手権準優勝も経験している。本職は中盤で、視野は広く決定的なパスが持ち味。だが、プロではまずはポジションを奪うところから始まる。

 3月6日の開幕戦(対大宮)に先発となれば、同じ背番号20を背負った内田が、06年に同じ右サイドバックで出場して以来の大抜てきになる。その内田も、高校時代にサイドハーフからサイドバックに転向した経歴を持つ。日本代表、欧州主要リーグ、ブンデスリーガの強豪シャルケの一員にまで成長した先輩が守ったホットスポットに、柴崎は「与えられたところで頑張るだけです」と言った。

 オリベイラ監督は「新加入の選手がいかに早くチームに順応できるか」と話し、今日19日のJ2水戸とのプレシーズンマッチに柴崎の起用を示唆した。【由本裕貴】