<プレシーズンマッチ:G大阪1-0磐田>◇20日◇鹿児島県立鴨池陸上競技場

 磐田は鹿児島キャンプ11日目の20日、G大阪とプレシーズンマッチを行い0-1で惜敗した。この試合を含む練習試合5試合で主力組の未勝利が続く。そんな中でルーキーMF小林裕紀(22=明大)はフィールド選手で唯一、フル出場中だ。安定したプレーぶりで、3月5日の甲府との開幕戦(中銀スタ)先発を手中にしようとしている。

 ルーキーとは思えない安定感でチームを引っ張った。この日で7試合連続でスタメン出場した小林は、前半開始から豊富な運動量を生かし攻撃のタクトを振った。前半16分には、那須大亮主将(29)が負傷退場し、急きょMF山本康裕(21)とコンビを組んだが、大きくバランスを崩すことなくゲームをコントロール。小林は「試合中にコミュニケーションを取ってプレーした。問題なくできた」と自信に満ちあふれた表情で振り返った。

 キャンプ前は、柳下正明監督(51)から、守備での弱点を指摘されていたが、試合を重ねるたびにたくましさを増していった。この日も、相手の外国人FWと対等にぶつかり合い、球際での強さを見せた。さらに、前半34分には相手DFを追い越して前線に駆け上がりシュートまで持ち込む積極的な攻撃を仕掛けた。柳下監督は「1試合1試合課題をクリアする選手」と評価。小林は「いろんなチームと対戦ができて、いい経験になった」と声を弾ませた。

 それでも満足はしていない。小林は「まだミスはあるし、課題も多い。もっと点に絡むプレーをしていきたい」と謙虚に話した。クラブでの新人開幕戦スタメン出場は95年の名波浩(38=現アドバイザー)以来、16年ぶり。小林のJリーグデビューが目の前に迫ってきた。【神谷亮磨】