<Jユース杯:清水ユース3-1栃木SCユース>◇決勝トーナメント1回戦◇4日◇山梨・中銀スタ

 8年ぶり3度目の優勝を狙う清水ユースが、栃木SCユースに逆転勝ちし、2回戦に駒を進めた。序盤は相手の“奇襲”に苦戦したが、1点を追う後半23分にMF宮本航汰(17)が同点弾。同30分にはDF菊池涼(18)のゴールで勝ち越すと、同45分に途中出場のFW鈴木聖矢(18)が3点目を決めてダメ押しした。2回戦は10日に行われ、広島ユースと対戦する。

 苦しみながらも2回戦進出を決めた清水ユースイレブンは、安堵(あんど)の表情を浮かべた。大榎克己監督(48)は「負けてもおかしくない内容だった」と、スコアとは対照的な厳しい表情で振り返った。

 「想定外」の展開に、大苦戦を強いられた。事前の情報では、栃木SCユースは守備のブロックを固めるチームだった。そのためこの1週間、チームは「堅守速攻」に備えて対策を練ってきた。しかし、この日は試合開始の笛と同時に前線から激しいプレッシャーを受けた。自陣の深い位置でボールを何度も失い、決定的なピンチを招いた。

 指揮官は、前半31分に運動量豊富で守備に定評のあるU-17日本代表のMF水谷拓磨(17)を投入して状況の打開に入る。最悪の時間帯を、何とか同36分の1失点で乗り切ると、流れは徐々に変わっていった。

 相手の足が止まった後半に猛攻を開始。両サイドを起点にゴールに迫ると、同23分にMF宮本がこぼれ球を押し込み同点。同30分には、右クロスにDF菊池が頭で合わせて勝ち越しに成功した。さらに、終了間際にもカウンターから途中出場のFW鈴木聖がネットを揺らし、勝負を決めた。

 2回戦は、8月のクラブユース準決勝で2-3で敗れた広島ユースと対戦する。決勝点を挙げた菊池は「今日のサッカーをしていたら勝てない。しっかり修正して、悔しさを晴らしたい」。気持ちを切り替えてリベンジに挑む。【前田和哉】