キャプテン河合が初勝利を呼び込む。札幌は今日24日、札幌ドームで浦和と対戦する。右太もも裏の張りで、20日のナビスコ杯新潟戦を欠場した主将のMF河合竜二(33)は、公式戦2戦ぶり先発復帰が濃厚だ。相手は02年まで在籍した古巣。横浜時代は04年のチャンピオンシップで決勝弾、08年にはプロ生活唯一の1戦2ゴールを記録した相性抜群の相手を、得意のミドル弾でねじ伏せる。

 公式戦3戦1得点と不調の攻撃陣を、アニキの1発で目覚めさせる。23日の練習は、浦和戦で初ベンチ入りが濃厚な榊とともにウオーミングアップ。次は20日のナビスコ杯新潟戦で初出場したMF荒野とストレッチ。DF小山内と組んで基礎練習をこなし、最後はDF奈良と話して終了した。18歳4人の若いエキスを吸収。右太もものケガも回復し「ケガは問題ない。まだチームとして勝てていないし古巣に勝って自信をつけたいね」と意気込んだ。

 大観衆と浦和戦にはめっぽう強い。「今回もゴールの予感がする。チャンスがあればホーム1号も狙いますよ」。プロ相手の初得点が浦和との04年チャンピオンシップ第1戦だった。6万4899人の横浜国際(現日産ス)で、MF奥の右CKを頭でねじ込み横浜の完全Vを呼び込んだ。08年12月6日の最終節では5万人を超す埼玉スタジアムのサポーターを自身初の1戦2発で黙らせた。「浦和戦は不思議と自分のところにボールが来る」。今回も浦和サポーター2000人以上が札幌ドームに訪れる見込み。大歓声だけでなく、ブーイングもエネルギーに変える。

 前日22日の練習では、新人DF奈良にマークの受け渡しについてアドバイスした。相手はMF柏木、阿部、DF槙野ら代表経験者、海外リーグ経験者らタレントぞろい。考え込む奈良に指示を出し、最後にこう言った。「頑張ってオレについて来い」。点も取って、最後は背中で引っ張る。それが竜二イズムだ。

 02年オフに浦和を戦力外になったが、過去の因縁にいつまでもこだわる男ではない。むしろ「浦和のサポーターを見ると熱くなるし、自分が在籍したチーム相手に変なプレーはできない」と気を引き締めた。勝てばJ1では98年4月15日以来、14年ぶりの浦和討ち。08年以来4年ぶりJ1復帰1勝は、強豪レッズから奪い取る。【永野高輔】