<J1:G大阪3-1清水>◇第7節◇22日◇万博

 清水が勝てば2位浮上の一戦をG大阪に完敗した。公式戦の連勝は5で止まった。堅い守りに阻まれる一方で、前半だけで2失点。後半36分にダメ押しされた。FW高原直泰(32)がJ通算200試合出場、MF石毛秀樹(17)がリーグ戦デビューした記念の一戦は、FWアレックス(28)が1発返した直後に終了した。

 公式戦6連勝、07年11月以来のリーグ4連勝。そして2位浮上の懸かった大一番にアフシン・ゴトビ監督(48)は、アウェーでも勝利を狙いにいった。トップ下に、この日J通算200試合出場となったFW高原直泰(32)を起用。“4トップ”の布陣を先発オーダーに並べた。アウェーでも攻撃的に勝ちにいく姿勢は前半14分に表れる。DF李のCKにその高原が頭で合わせ、ゴールまであと1歩と迫った。

 開始早々から流れをつかんだかに見えた。しかし、その後は指揮官の狙いとは逆の展開が続いた。同20分、DFヨンアピンのクリアボールを豪快にダイレクトでたたき込まれ、先制点を奪われた。さらに同27分には1本のパスでDFの裏を取られ、PKを献上。GK林が1度は手に当てたものの、こぼれ球を押し込まれて追加点を許した。戦前、林が「低迷しているけど、攻撃には独特の色がある」と警戒していたはずの、日本代表MF遠藤擁するG大阪にいきなり2点のリードを奪われた。

 ただ、選手は最後まで諦めなかった。後半開始からMF小野、ナビスコ杯に続きリーグ戦デビューの高校生JリーガーMF石毛を右ウイングとして投入。劣勢の中、苦し紛れのロングボールを多用するのではなく、しっかりパスをつなぎ好機をうかがった。同36分に決定的な3点目を失いながらも、同ロスタイムにFWアレックスが意地の1発をねじ込んだ。

 今季3敗目を喫した。順位は7位に。悔しい1敗には変わりない。それでも90分間、最後まで今季掲げる「パスサッカー」を崩すことはなかった。そのプライドが、次節のアウェー東京戦につながるはずだ。【前田和哉】