Jリーグでは異例のDFによるアシスト王へ、東京DF太田宏介(26)が急接近している。東京・小平市内での19日の練習後、太田は「今、個人的にすごく充実している。自信を持ってやれているし、周りも自分を信頼して走ってくれるから」。というのも、最近3戦3アシストで通算7のアシストランクは6位に急上昇。トップ10では唯一のDFが、ゴールにつながるプレーで勢いに乗っている。

 左サイドバックとして流れの中から繰り出すクロスに加え、FKがさえ渡る。今季中盤からキッカーとして頭角を現すと次々にゴールを演出。もっとも前所属の清水時代は元日本代表MF小野伸二やMF藤本淳吾といった生粋の蹴り手がいたから出番がなかった。「プロ8年目にして武器になってますかね」と自身も驚くが、試合直前には同じポジションの元ブラジル代表DFロベルト・カルロスの動画を見てイメージを高めた成果でもある。

 奇遇にも明日21日の名古屋戦(瑞穂)に、元同僚の藤本がいる。「蹴っているところを見たらきっとびっくりすると思う」と太田。残り9試合。「個人的には得点にかかわって、もっと数字を残したい」と、まだまだ周囲を驚かせる。【栗田成芳】<J1アシストランキング>(1)FW田中順也(柏)10(2)FWレナト(川崎F)9(3)MF柏木陽介(浦和)8(3)MF河井陽介(清水)8(3)MF高萩洋次郎(広島)8(6)DF太田宏介(東京)7※数は日刊スポーツ調べで19日現在。6位はほか3人