横浜のW杯ブラジル大会日本代表FW斎藤学(24)が7日、秘密兵器を入手した。イタリア・カンパリ社の最高級プロテクター(すね当て)で、同国パルマ近郊の工房でひとつひとつ手作りで製作されている特注品が届いた。あのフェラーリのカーボンボディー加工技術を導入した世界で同社にしかない製品はネイマール、メッシ、C・ロナルドも愛用。日本代表でもFW本田ら多くの選手が使用している。アギレ・ジャパンの主力候補としても期待を集めるドリブラーが、デザインにもこだわった世界にひとつだけの逸品とともに夏場の反攻にかける。

 炎天下の横浜市内で練習を終えた斎藤は、小さな黒い袋を大事そうに抱えていた。「いいものを作っていただきました」とニヤリ。袋の中身はまさにお宝だった。すね当ては靴下に隠れて分からないがスパイクとならぶ商売道具。特に突破で足を“削られる”ことの多いドリブラーにとって、選手生命にかかわる最重要アイテムだ。

 同社のものはドライカーボン製で軽く、耐久性に優れデザイン性も高く圧倒的な人気を誇る。価格は4万円からフルオーダーで30万円と高額だが、世界中のスターが好んで使っている。

 デザインに思いを込めることができるのも大きい。斎藤は愛着ある横浜のチームカラー、トリコロールに「2018」と入れた。W杯ロシア大会の開催年。ブラジルで出番なしに終わった男の決意表明だ。普段は見えない部分だけに、その思いが伝わってくる。明日9日の柏戦(日産ス)から秘密兵器を配備しドリブルでピッチを切り裂く。【八反誠】