J2磐田の最終ラインのキーマンが戻ってきた。右太もも裏の違和感で8日から別メニュー調整していたDF森下俊(28)が10日、磐田市内での練習に完全合流。主力組で全メニューをこなし「痛みもないし、まったく違和感なくできた」と今日11日のホーム岐阜戦への出場意欲をみせた。

 名波浩監督(41)の下、森下は、最終ラインでW杯経験があるDF伊野波、DF駒野の間を任される。技術に加え、代表経験者にも物おじしないコミュニケーション力が評価されている。完封した愛媛戦では、指揮官からも「俊が左右の声かけで、すごくリーダーシップを取ってくれた」と陰のキーマンとして名前を挙げられた。

 磐田ユースから加入した新人時代は無口だった。「名波さんや秀さん(鈴木コーチ)たちに頼ってばかりだった」。他クラブを経験し「声を発しないと始まらない」と殻を破った。今季から6年ぶりに磐田復帰。新監督に意識付けられる「コミュニケーション」「言葉遣い」には特に気を配る。「向こうの意見もしっかり聞き入れて消化してから自分の意見を言うように心掛けている」。大人の対話術で守備を統率している。

 名波体制では日々、味方の利き足に正確なパスを出すなどの基本プレーを指示されている。「自分はユースからやっているし、それが磐田のDNA。細かい部分を言ってくれることがありがたい」と、森下は岐阜戦に向けてキッパリ。「0で抑えること。常にチャレンジャーという気持ちで戦う」と。後方から声を出し、激しい球際で完封を目指す。【岩田千代巳】