カルロ・アンチェロッティ監督の解任にともない、今季限りの契約でバイエルン・ミュンヘンにカムバックを果たしたユップ・ハインケス監督。シーズン閉幕へ向かうにつれ、ドイツメディアによる後任探しは過熱の一途を辿っているが、そんな彼らに対し現在72歳の指揮官が苦言を呈している。

 9日、ブンデスリーガ第26節ハンブルガーSV戦の前日会見に出席したハインケス監督は、記者団から自身の進退について問われた際、「6月30日に(Bミュンヘンの監督を)やめることが決定的だなんて、私はこれまで言ったことがない。あなたたちの誰かが、一度でもその言葉を聞いたことがあるのか?答えはノーだ」と、今季終了後についてはまだ白紙の状態であるとし、Bミュンヘン幹部らが次期監督を探しているという件についても「あなたたちに言ってあげよう。まだ何も決定していないんだ」とさらに語気を強めた。

 また先日発売された専門誌「スポーツビルト」とのインタビューで自らが話したことについて、ハインケス監督は改めて言及。その様子は明らかに苛立っていた。

 「私は『シーズン終了まで仕事を引き受ける。その先に何が起こるか、これから見ていこうじゃないか。それが今現在の(私とクラブの)取り決めなんだ』と話した。あなたたちにとって最も重要なのは『誰が来シーズンの監督を務めるか』ということだけ。一体なんということだ!」

 ただし、同監督はそのインタビュー内で「次の夏に、私は73歳になる。(自分の人生に)あとどれだけの時間が残されているか、誰も分からない。人生は仕事だけでなりたっているわけではないんだ」と語っているのも事実。再就任後の公式戦26試合で24勝1敗1分(PK勝ち含む)という驚異的な勝率を残しているレジェンドは、果たしてどのような決断を下すのだろうか。