元オランダ代表MFで、アヤックスやスコットランド1部レンジャーズなどで活躍したロナルド・デブール氏(51)が、22年W杯カタール大会のアンバサダーに就任した。

すでにシャビ氏(元スペイン代表)、カフー氏(元ブラジル代表)、ティム・ケーヒル氏(元オーストラリア代表)、サミュエル・エトー氏(元カメルーン代表)が同アンバサダーとして活動しており、デブール氏もレジェンドたちの一員に加わる。アンバサダーは、カタール内外においてW杯のレガシーを残し、社会に前向きな変化を生み出すためにさまざまなイベントに参加する。

デブール氏とカタールの関係は深く、04年には双子の兄フランク・デブール氏(現オランダ代表監督)とともにカタールのアルラーヤンへ移籍。その後、アルシャマルでプレーして現役を引退した。デブール氏は引退後も家族とともに3年間、カタールにとどまり現地での生活を謳歌(おうか)した。

デブール氏は「私は7年間、カタールで暮らしてきた。ここは私の人生の大きな部分を占めている。カタールの未来に期待しているし、現地の友人たちは次世代のために国を良くしようと意欲を見せている。アンバサダーとして、それらの力になれるのはとても光栄だ」と話した。

加えてデブール氏は04年に初めて同国にやってきた時と現在を比べ、信じられないほどのポジティブな変化が起きていると指摘。「W杯がいろいろな側面で、その変化を後押しする触媒になる。私にとってもアンバサダー就任はとても意味あることで、次の世代のためにより良い国を築くことは、本当に大事だと思っている」と話した。

デブール氏は22年W杯が、最近の大会では最もコンパクトな環境で行われることを評価しており「選手とファン双方にとってメリットがある。1日に複数試合を観戦できるのはファンにとってはエキサイティングな経験だし、選手は移動距離が短くなることで、しっかり休養を取り、ベストな状態で次のゲームに臨める」と説明。アラブ諸国で初めてのW杯ということもあり「この地域の人々の温かさを世界に示すチャンス。私は中東のファンが世界でも有数の情熱的なファンだということも知っている。それを示す良い機会にもなる」と話した。

W杯実行委員会のハサン・アルタワディ事務総長も「ロナルドは、このW杯の旅路が始まった時から我々とともにいる。そして公式にアンバサダーに迎えることができて大変うれしく思う。彼はカタールを深く理解しているし、W杯がもたらすものについても分かっている。ロナルドの存在は我々が大会後もレガシーを持続させようとするときにも、とても助けになると思う。今後、何年も彼とともに仕事ができることを楽しみにしている」と話した。