スペインリーグがアジアでの視聴者獲得を目指し、マジョルカが今月開催するホームゲームの開始時間を日本や韓国のファンが見やすい午後2時(日本時間午後9時)に設定した。

マジョルカの地元紙ウルティマ・オラ電子版は理由として、日本代表MF久保建英(20)と韓国代表MF李康仁(20=イ・ガンイン)の存在を挙げた。

スペインリーグは以前からアジア市場開拓に力を入れており、約10年前から極東のプライムタイム(午後7時~午後11時)に合わせて試合を開催してきた。今月はマジョルカのホーム戦2試合、19日ビリャレアル戦と26日オサスナ戦が日本時間午後9時から行われる。マジョルカのルイス・ガルシア監督は、通常よりも早いこの時間に慣れるため、今週の練習を全て試合時間と同じにしている。

ウルティマ・オラ紙は久保について「ただの選手ではなく、アジアと日本のアイコン(象徴)」だと紹介。「マジョルカは彼との契約を決めた時、200万ユーロ(約2億6000万円)の年俸を払うことで見返りを得られることを計算した」と付加価値があることを強調した。

マジョルカは2季前に久保が所属した際、クラブのマーケティング担当が日本へ飛び、コナミデジタルエンタテインメントとスポンサー契約を結び、今季も化学メーカーのタイカとの契約を実現している。

一方、19年に行われたU-20ワールドカップ最優秀選手の李康仁も久保同様、自国のスターであり、アディダス、ペプシ、ゲータレード、LGなどの多国籍企業のイメージキャラクターを務めている。そのためマジョルカにとって李康仁の加入は、韓国市場を活性化させ、スポーツ面だけでなく、経済面でも大きなチャンスになっていると同紙は伝えている。(高橋智行通信員)