セリエA 首位ACミランがFWジルーのドッピエッタ(2得点)などで、3-0とサッスオロに快勝。2位インテル・ミラノとの優勝争いを制し、11季ぶり19度目のスクデット(優勝)を成し遂げた。

近年は欧州チャンピオンズリーグ(CL)出場権のある4位以内にも入れないことが多かった名門が、19年10月に就任したピオリ監督のもと見事に復活した。

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ボールを追う選手たちの意欲が違っていた。前半17分。FWラファエル・レオンがハーフウエーライン付近でボールを奪うとそのまま左サイドをドリブル。中央へ折り返したパスは相手選手に当たったが、これを拾ったジルーが強引に左足シュート。DF、GKと2人の股を抜ける先制ゴールを決めた。

同32分にもレオンが高い位置でボールを奪取。中央のジルーへパスを送り、同FWが左足で2点目。4分後にも前線のプレスからケシエがチーム3点目を決めた。後半も危なげない試合運びで快勝。選手たちは歓喜の表情で跳びはね、ピッチはすぐに“乱入”してきたサポーターたちでいっぱいとなった。

ACミランが最後にセリエAを制したのが10-11年シーズン。0-0のドローで優勝を決めた11年5月7日ローマ戦から、実に4033日がたっていた。ピオリ監督は「選手たちは本当に素晴らしかった。いつだって優勝を信じていたし、我々が最も安定していた」と喜んだ。

ファンのあまりの大騒ぎによって、同監督の優勝メダルが奪われるという“事件”も発生。「お祝いしている最中にひったくられてしまったんだ。私の唯一のメダルなのに」と指揮官は苦笑いで返還を求めていた。