レアル・マドリード(スペイン)が1-0でリバプール(イングランド)を下し、4季ぶり史上最多を更新する14度目の優勝を果たした。試合を通じて劣勢だったが、プレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれたGKクルトワが「神セーブ」を連発して相手攻撃陣を完封。後半14分にビニシウスが決めた1点を守り切った。アンチェロッティ監督は指揮官として単独最多4度目のCL制覇。リバプールの南野拓実はベンチ入りしたが、出番はなかった。

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欧州サッカー連盟(UEFA)公式サイトのリバプール担当記者は試合後、「クルトワがいなければ、リバプールが7度目のCL制覇を祝っていただろう」と記した。その言葉が試合のすべてを表していた。

身長2メートルのベルギー代表GKは次々にリバプールのシュートをストップ。前半21分にマネのシュートを右手1本ではじくとリズムに乗った。ビニシウスのゴールで1点をリードし、リバプールの猛攻撃を受けていた後半19分、同37分にはサラーのシュートを立て続けにセーブした。特に37分のプレーは約3メートルの至近距離から放たれたキックを右腕だけではじいたもの。自ら「正直言って信じられない」と表現した、まさに「神セーブ」だった。

クルトワはチェルシーからアトレチコ・マドリードに期限付き移籍していた13-14年シーズン欧州CL決勝でRマドリードと対戦。1-4で敗れていた。自身CL初制覇を成し遂げ「夢がかなった。これが手にしていなかった唯一のトロフィーなんだ。表現する言葉が見当たらないよ」と歓喜の表情を浮かべた。

そんなクルトワのスーパーセーブを目の当たりにした日本のファンも大興奮。ネット上では「クルトワから2点取ったわれらが日本代表が世界一です」などと、18年W杯ロシア大会でベルギー代表を追い詰めた日本代表を称賛する言葉まで飛び出した。

今大会のRマドリードは優勝候補筆頭ではなかった。決勝トーナメント1回戦パリ・サンジェルマン戦、準々決勝チェルシー戦、準決勝マンチェスター・シティー戦とすべてのラウンドで黒星を喫した。だが奇跡的な逆転劇を重ねて勝ち上がってきた。この日もリバプールの力を認めた上で「引いて守ってカウンター」戦術を徹底。クラブの長い歴史の中で熟成された「勝ち方を知っている」強みを生かして頂点に立った。

◆レアル・マドリード 1902年創設。スペイン1部リーグは35度、欧州CLは前身大会を含めて14度の優勝を誇り、ともに最多。本拠地はサンティアゴ・ベルナベウ競技場。チームカラーは白で「白い巨人」とも呼ばれる