【アントワープ(ベルギー)3日(日本時間4日)=佐藤成】日本代表のイングランド初撃破からわずか3日後、ゲンクMF伊東純也(33)が敵地アントワープ戦のピッチに立った。後半途中から投入され、攻守に奮闘。試合後、W杯北中米大会への思いを改めて激白した。今夏が集大成の覚悟を示すとともに、今が「史上最高の伊東純也」であると断言した。試合はゲンクが2-1で競り勝った。

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衰え知らずの鉄人にとっても、まさかだった。80分間、体を張ったイングランドとの激闘から中2日。さらにはその3日前のスコットランド戦にも出場した伊東が、味方の負傷に伴い後半14分から緊急出場した。ベルギーのレギュラーシーズン7~12位クラブが、来季の欧州カンファレンスリーグ出場の可能性を懸けて争うプレーオフ2。その初戦から攻守に力を込めた。

試合後、ぬれた髪のまま現れると「いやーさすがに出ないと思ったんですけど」と苦笑いで本音をこぼしつつ「ちょっと体は重かったなと思いますけど、勝てて良かった」と安心した。

聖地ウェンブリー競技場での歴史的勝利から3日。その興奮がいまだ冷めやらぬ状況だが、選手は余韻に浸らなかった。「勝てたことは素晴らしいことだと思いますけど、まだ親善試合なので。次、本番で勝つことが大事」と切り替えた。

33歳。2度目のW杯が目前に迫る。前回22年のカタール大会は圧倒的なスピードと運動量で貢献。決勝トーナメント1回戦の16強で散ったクロアチア戦は、悔しい記憶として脳裏に刻まれている。「さすがに、次(30年)は難しい。今回が最後になる可能性が高いので、前回の悔しさをしっかり晴らせればいいかな」とラストチャンスの覚悟だ。

年齢を考えれば、フィジカル面で下り坂に差しかかっていてもおかしくない。ただ「プレーの質やスピードは落ちていない」と言い切り、むしろ「プレー面では、落ちるより上がっていると個人的には思っています」と全盛期を自覚する。

ドイツ、スペインを連破した「カタールの歓喜」から4年。トップフォームを保ち続けるイナズマ純也。フランスからベルギーに戻り、5大リーグに籍は置かずとも、英国遠征で示したように世界トップ基準にある。「ビッグクラブ相手でも状態さえ整えば、自分的にはできると思っている。今はもうコンディションをベストにして自分の最大値を出すだけ」。最高の景色を見るため最善を尽くす。