<FIFAワールドカップ2026(W杯)北中米大会:日本1-1スウェーデン>◇1次リーグF組◇6月25日(日本時間26日)◇ダラス・ダラススタジアム

日本代表(FIFAランキング18位)が1次リーグ第3戦でスウェーデン(同38位)と1-1で引き分けた一戦で、MF堂安律(28=Eフランクフルト)が今大会初アシストを決めた。後半11分にゴール前でのパス交換から、FW前田大然(28=セルティック)へスルーパス。ピタリと合わせたワンタッチパスで、日本を決勝トーナメントに導いた。

今大会では背番号10を背負う堂安が、ドイツ、スペインからゴールを決めた22年カタール大会以上の活躍に向け、調子を上げてきた。

攻撃的なレフティーは、バルセロナやアルゼンチン代表のスターだったリオネル・メッシを参考に育ったが、そこに新たな刺激を加えたのが、小3からプレーした名門、西宮少年サッカースクールで指導した早野陽コーチ(現フエゴ代表)だった。

当時左足だけで質の高いプレーをしていた堂安に、早野は自身が好きだった世界的スーパースター、ディエゴ・マラドーナのDVDを渡した。

「律はメッシは知っていたけど、マラドーナは知らなかった。そこで同じアルゼンチンで、左利きで、ドリブルの仕方もつながるところがあると伝えて『メッシって、マラドーナでしかないで』って」。

メッシでさえも憧れたマラドーナのプレーは、すぐに堂安を刺激した。「マラドーナみたいになりたい」。そういう少年に「律ならなれる」と声をかけた。

ガンバ大阪ジュニアユースに進んでからも、その流れは続いた。堂安に関わった梅津博徳(現横浜F・マリノスジュニアユース監督)も、意識付けたのは、マラドーナ。すでに関西では知られた存在だった左利きのテクニシャンを乗せたいことも意識して「ずっと『マラドーアン』って声をかけていた」と当時を振り返る。

今大会ではこれまで献身的な守備でチームを支えてきたが、本人が「自分の強みはゴール」と口にする通り、得点に関わるプレーが最大の魅力。この日のアシストで、よりゴールへの意識は強まった。本家を目指して成長してきた「マラドーアン」が、世界にその愛称を知らしめる日は近付いている。【永田淳】