[ 2014年2月7日19時13分 ]公式練習で舞う鈴木(撮影・井上学)

 史上最強といわれるフィギュアスケートの日本勢は一時代の終わりとなるソチ冬季五輪でメダル量産の期待がかかる。女子の浅田真央(中京大)と鈴木明子(邦和スポーツランド)、男子の高橋大輔(関大大学院)がソチを「集大成」と位置付けたことで、注目度が一層増した。6日に始まった新種目の団体を含め、見逃せない戦いが続く。

 フィギュアの小林芳子監督が掲げる「金を含む複数メダル」の目標も高望みではない。23歳の浅田と27歳の高橋は前回のバンクーバー五輪メダリスト。2度目の五輪となる28歳の鈴木も世界選手権で表彰台に立った実力者だ。浅田はライバル、キム・ヨナ(韓国)との最終決戦へ「一番いい色のメダルを持ち帰れるように頑張る」と意気込む。

 日本を世界のトップレベルに押し上げた浅田、高橋らは日本スケート連盟が1998年長野五輪を見据え、92年に長野県野辺山で始めた「全国有望新人発掘合宿」で成長した黄金世代。19歳の羽生結弦(ANA)と村上佳菜子(中京大)、23歳の町田樹(関大)は先輩の背中を追い掛け、憧れの五輪にたどり着いた。

 激しい代表争いに敗れ、世界選手権女王に2度輝いた26歳の安藤美姫や前回五輪で男子7位に入賞した26歳の織田信成は引退した。日の丸を背負う責任感を宿した町田は「選手層が厚い日本から出させてもらうならメダルを狙うことが義務」と誓い、高橋は「日本代表としてメダルは目指さなければ。いろんな人の思いを受け止めて最高の演技をすることが使命」と銀盤に立つ。