アジア大会(インドネシア・ジャカルタ)ボクシング日本代表の成松大介(28=自衛隊)が21日、現地へ向かう羽田空港に姿を見せた。

 7月、日本ボクシング連盟の助成金流用を実名告発。その後、13日の結団式でも式典関係者の取材制限により無言を貫いていたが、この日は樋山茂監督が選手の代わりに応対。「弁護士からしゃべらないように言われている」と理解を求めた。成松自身は体調管理のためか、マスク姿で出国ゲートへ向かった。

 山根明前会長体制下での数々の疑惑を訴えた「日本ボクシングを再興する会」による告発状に名前を連ねた。不正判定の疑いなど、騒動は社会現象となり、反社会的勢力との交際を認めた山根氏は8日に辞任を表明。理事も総辞職し、9月8日の臨時総会で新体制が発足する見通しとなっている。

 2016年リオデジャネイロ五輪代表の成松は、日本スポーツ振興センター(JSC)から15年度に助成金240万円を交付された。その際、山根氏から助成金を3等分にするよう指示され、別の2選手に80万円ずつ渡すことを余儀なくされていた。その後、これが流用にあたると認識した日本連盟によって160万円が返金されたが、隠蔽(いんぺい)とも見られる言動が連盟幹部からあったことから、この事実を実名で訴えていた。