創価大4区セルナルド祐慈(4年)が区間5位、2人抜きの力走で、初のシード権獲得を目指すチームを往路9位に導いた。

 13キロ過ぎ、前を行く駒大のエース中谷に並ぶと、ポンと背中をたたいた。「仲間でもあり、尊敬できる選手。一緒に前を追っていこうと思いを込めました」。15年8月の夏合宿で一緒に練習した中谷はついてこれなかったが、セルナルドのペースは最後まで落ちなかった。「後半は、自分の思い通りの走りができた。チームに貢献できたと思います」と、振り返った。

 父がフィリピン人で、母が日本人。2年前の初出場時は5区で区間最下位に終わった。「前回は出るだけで、勝負する気持ちになっていなかった」と猛省。体幹から鍛え直し、股関節を意識したスムーズな走りを心がけた。主将に就任すると「チームの絆を深め、団結力で勝っていこう」と積極的に仲間たちを引っ張り、2年前に総合20位と最下位に沈んだチームを、シード権が見える位置にまで押し上げた。

 「復路のメンバーを信じています」とセルナルド。心地よい疲れと、充実感に満ちた表情を浮かべ、芦ノ湖を後にした。【鈴木正章】