全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)は18年1月1日、前橋市の群馬県庁前を発着点とする7区間(100キロ)で行われる。

 富士通には、日本選手権の5000メートルと3000メートル障害の優勝者をはじめ、同大会入賞者が4人いる。駅伝の走りに結びつけることができれば、09年以来9年ぶりの優勝も見えてくる。

 5000メートルの松枝博輝(24)と3000メートル障害の潰滝大記(24)。2人の日本チャンピオンの出場区間が注目される。松枝は前回5区(15・8キロ)で区間7位だったが、「よりスピードを生かせる3区(13・6キロ)を」と希望する。ラストスパートが武器で、最後に2~3秒でも前に出て4区に渡す可能性がある。

 潰滝は8月のロンドン世界陸上後に故障をしたが、11月末から「少しずつ走れる状態」(高橋健一駅伝監督=44)になっている。実は日本選手権も故障明けで厳しいタイミングだったが優勝を果たした。潰滝が間に合えばスピードを要求される1区もあり得るし、6区もしくは7区で切り札的に起用することも可能となる。

 最長区間の4区と、2番目に長い5区の候補は中村匠吾(25)と横手健(24)の2人だ。

 横手は前回の4区区間4位で、区間賞の旭化成・市田孝(25)とは9秒差の好走だった。日本選手権1万メートルでも5位と、安定感は今の富士通でナンバーワンだろう。また日本選手権5000メートルで3位とスピードに進境を示した中村は、駅伝の東日本予選では最長2区(15・3キロ)でも区間5位の走りを見せた。後半で後退したのはマラソン練習で追い込んでいたためで、一時は後続を大きく引き離す走りで、今後に期待を持たせた。

 高橋監督は「目標は3位」としながらも、「(近年失敗している)インターナショナル区間の2区が終わって前の方にいれば、チャンスもある」とひそかに優勝を狙っている。そのためにも1区が重要になるが、ここにきてベテランの星創太(29)の調子が上がり、候補に浮上している。13年の日本選手権5000メートルを制した勝負強さを持つ選手だ。

 富士通の初優勝は00年で、高橋監督がエースだった。2度目が09年で、高橋監督はコーチだった。3度目も“9年ぶり”となるだろうか。