史上6校目の4連覇を達成した青学大の原晋監督(50)は、優勝会見と記者の囲み取材に応じた後、ゴール地点の東京・大手町の読売新聞社を出たところで、出待ちしていた駅伝ファンに囲まれ、祝福された。強い風が吹き、肌寒い中だったが、原監督は列の後ろにいたファンのサインや握手、写真撮影の求めにも気さくに応じた。

 すると、歩道を通行していた人も原監督の存在に気付き、「原監督がサインしている!」などと声を上げ、同社前には一気に人だかりができた。中には「私、受験生なんです!!」と言いながら走り寄る若い女性など、箱根駅伝4連覇を達成した“勝ち運”にあやかろうとする人もいた。

 あまりに人が集まったため、警備員が出動し「歩道の確保をお願いします」などと声をかけたが“原監督フィーバー”は収まらなかった。結局、同監督は警備員2人にガードされたまま歩道を歩き、送迎の車に乗り込んだ。「原監督~!!」と声をかけられると、両手を上げて応えるなど最後までファンサービスに努めた。

 原監督は優勝会見で「陸上界を盛り上げたいんだと。ライバルは早稲田、駒沢、東洋、東海ではない…サッカー界、野球界なんだと。多くの若者に、箱根駅伝を通して長距離を志して欲しいという信念があるからこそ、さまざまな改革案をメッセージとして伝えている」と語った。その言葉、思いを実行に移すように、4連覇直後で盛り上がるファンの思いを、真正面から受け止めて会場を後にした。【村上幸将】