男子マラソンの神野大地(25=セルソース)が21日、ケニア合宿から成田空港着の航空機で帰国した。

砂利道やアップダウンのあるコースなどで「タフさを得ることができた」と手応えを得た様子。標高2300メートルほどのケニア・イテンで約1カ月。2時間3分13秒の自己記録を持つウィルソン・キプサング(ケニア)が所有するコテージに宿泊しながら、ケニア人ランナーらとともに練習を積んだ。昨夏のケニア合宿より、着実に付いていけるようになったと実感する。練習量も増えた。「やりたいことがしっかりできている。やってきたことは間違っていないと証明したい」と語った。

来月3日の東京マラソンは「自分の人生にとっても大きな大会になる」と位置付けた。まずは20年東京オリンピック(五輪)の代表選考会「マラソン・グランドチャンピオンシップ(MGC)」の出場権の獲得を最優先とする。「日本人選手、外国人選手との戦いも求めていきたいですが、あまり高望みをせず、とにかくMGC」と強調。ワイルドカードでのMGCへ出場条件となる2時間11分42秒を「達成できればいい」と照準を定めた。

2月の別府大分毎日マラソンでは青学大時代の同期である橋本崚(25=GMO)がMGCの切符を得た。自身が「3代目山の神」と注目を集めた箱根駅伝5区で、橋本はサポート役として支えてくれた男だった。「彼がやった以上、キャプテンだった自分が、箱根をしっかり走った自分が、やらないわけにはいかない。すごくモチベーションになりました」と力を込める。レース後、橋本に「MGCおめでとう」と祝福のラインを送ると「GMO選手の次に神野の応援するから」と返答があったという。

過去4度走ったマラソンは腹痛に悩まされたこともあり、不完全燃焼だった。最高記録は18位だった18年東京の2時間10秒18。「楽しかったことは1度も経験できていない」と振り返る。箱根駅伝の栄光だけで終わるわけにはいかない。今度こそマラソンで結果を残す。