6月の日本選手権女子100メートルで29年ぶりの高校生女王となった御家瀬緑(北海道・恵庭北3年)が同種目に出場し、自己ベストを0秒04更新する11秒46の北海道高校新記録をマークして2連覇を飾った。

追い風1・4メートルの好条件。スタートからライバルを突き放し、そのままゴールを駆け抜けた。高校総体でマークした自身の北海道高校記録(11秒50)を上回り「狙っていなかったので驚いている。うれしい。風に背中を押されて足を合わせることができました」と笑顔を見せた。

好調な裏にはルーティーンがある。レース前には右手首のホクロをじっと見つめる。「黒いものを見ると集中すると聞いたので」。前日にはイメージトレーニングで頭の中で試合展開を描く。中盤は力むクセがあるためそこを抑えて、後半はスライドを長くとる。日本選手権前から行うしっかりとした準備が今季の度重なる記録更新につながっている。

高校生として出場する大会は、10月に開催される国体(茨城)とU20陸上選手権(広島)のみとなった。周囲から期待されるのは、土井杏南(JAL-埼玉栄)が持つ日本高校記録11秒43の更新だ。今回で100分の3秒差まで迫った。「これまでの練習の成果を出して自分のできることをして、新記録を出したいですね」と声を弾ませた。