県高校駅伝は、31日、サンビレッジ弥彦前を発着する7区間42・195キロで行われる。

県内最多14回の全国駅伝出場を誇る中越が2年ぶりの優勝を狙う。メンバーの半数を1年生が占める若い布陣で、県王座奪還を目指す。2年前に、ただ1人の1年生として全国駅伝を経験したエース丸山真孝(3年)がチームをけん引する。

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丸山の顔から噴き出した汗が、長岡市陸上競技場の照明を浴びて光った。トラック外周を走るメニュー。その走りはハイペースを保ったまま落ちることはなかった。区間最長の1区10キロを任される可能性が高いチームのエース。「どんな状況でも先頭でタスキを渡して、あとの区間の選手には駅伝を楽しんでもらいたい」と言う。

17年に走った都大路は、2区を担って区間20位。1年生で大舞台を経験したが、昨年は、故障に悩まされ続けた。昨年5月の県高校総体は、腰椎分離症に見舞われ不出場。夏には復帰したが、県高校駅伝は左かかとの疲労骨折でサポート役に回った。故障は長引き、完全復帰は今年の春。走りたくても走れない状態は、走りへの思いを変えた。「故障の苦しさに比べれば、練習の苦しさの方が楽」。全国高校総体(インターハイ)出場はかなわなかったが、6月の北信越高校総体・5000メートルでは県勢日本人トップの8位に食い込んだ。

夏は長野・菅平高原で計3度の高地合宿を張った。佐久長聖(長野)、大牟田(福岡)ら強豪校と合同で行った合宿は、最長7泊に及んだ。多い時は1日3回の練習で、走行距離は約30キロ。渡辺裕人監督(36)は「丸山は、強豪校のエース級選手に見劣りしなかった」と話したが、この合同合宿は大きな奮起材料となった。「余裕で走っている選手がいて『まだまだだ』と思った。京都では、互角に戦いたい」と2年ぶりの全国高校駅伝出場を目指すためのモチベーションに変えた。

中越は登録メンバー10人のうち、1年生が6人の若いチームだ。「1年生が4、5人は入りそう」と渡辺監督。その若いチームを走りで引っ張る。丸山は「先頭でレースを作ることができるし、粘れる」と語り、どんなレース展開になっても優勝へ弾みをつける走りを誓った。【涌井幹雄】