陸上の日本室内選手権第1日が17日、大阪城ホールで行われ、男子60メートル障害では泉谷駿介(21=順大)が予選、決勝と日本新記録2連発で優勝した。予選は7秒56、決勝は7秒50。従来の記録は7秒61で、大幅に更新した。また女子60メートル障害では青木益未(26=七十七銀行)が予選で自身の日本記録を塗り替える8秒06をマーク。決勝はさらに0秒01縮め、2連覇を飾った。

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日本新記録である「7秒50」を示すタイマーを指さし、カメラマンの前で泉谷は白い歯を見せた。ただ、「悔しいタイム」と言い切った。従来の日本記録は7秒61。予選で7秒56を出し、決勝は中盤から他を圧倒。もっとタイムが出る手応えがあったから喜べなかった。

ハードルの他に、3段跳び、走り幅跳びと「3刀流」。神奈川・武相高では8種競技で高校総体を制するなど抜群の身体能力を備える。その半面、故障も多い。19年世界選手権では110メートル障害で代表の座をつかむも、太もも裏肉離れで欠場。昨年も2度の肉離れに泣いた。しかし、今季は順調。万全の体調なら、好記録が出るのも必然だった。「3刀流」だが、東京オリンピック(五輪)までは、世界との距離が近い110メートル障害に集中する。「(今季の)いいスタートを切れた。自己ベスト(13秒36)を狙っていきたい」。無限の可能性が一気に開花する気配が漂う。