浜松市出身の2人が、女子・仙台育英(宮城)の2年ぶり5度目の優勝の立役者となった。1区・米沢奈々香(3年)、2区・杉森心音(ここね、2年)が、ともに区間賞を獲得。浜松市立北浜中出身コンビで、序盤に大きくリードを広げた。

仙台育英の優勝への道筋を米沢と杉森が示した。まずは1区・米沢。序盤で先頭に立つと、みるみる後続を突き放した。19分15秒で区間賞に輝き、2位に30秒差をつけた。「自分のリズムでペースを刻めた」。今夏の全国総体で1500メートル2位、3000メートル3位(ともに日本人トップ)の実力を発揮した。

後輩も続いた。2区・杉森も、12分41秒で区間賞を獲得。2位との差を56秒に広げて独走状態に入った。「30秒の差があったので、安心して走れた」。その後、チームは1度も首位の座を譲らず、歴代最多5度目の優勝を飾った。

浜松市立北浜中出身の2人は、さらなる成長を目指して名門・仙台育英の門をたたいた。米沢は「静岡を離れる不安もあった。でも、釜石(慶太)監督を信じて入学し、最高の結果を残せた」と笑みがはじけた。後を追った杉森は「奈々香先輩のように、留学生相手に戦える選手になりたい」と、次期エースに名乗りを上げた。

米沢は全日本大学女子駅伝で5連覇中の強豪・名城大に進学する。「ラストに、もう1段階ギアを上げられる選手になりたい」。世代のトップランナーが、さらなる高みを目指して次のステージに向かう。【古地真隆】