青学大が2年ぶり6度目の総合優勝を飾った。10時間43分42秒。大会記録(10時間45分23秒=20年・青学大)を大幅に更新する歴史的な圧勝だった。

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往路優勝の青学大は、2位の帝京大に2分37秒差、3位で総合連覇を狙った駒大に3分28秒差でスタート。山下りの6区(20・8キロ)を高橋勇輝(4年)が着実に走ると、7区(21・3キロ)で故障から復帰した岸本大紀(3年)が区間賞の快走で2位以下との差を広げた。

8区(21・4キロ)の佐藤一世(2年)も区間2位と実力を発揮。続く9区(23・1キロ)では、中村唯翔(3年)が力強い走りで1時間7分15秒の区間新記録をマークし、08年大会の篠藤淳(中央学院大)の1時間8分1秒を14年ぶりに更新した。

2位順大との差を7分56秒にまで広げての最終10区(23・0キロ)でも、中倉啓敦(3年)がパワフルな走りを披露し、仲間の待つ歓喜のゴールへと飛び込んだ。中倉も1時間7分50秒のタイムで区間新記録を樹立。往路に続き、復路も5時間21分36秒で制した。

原晋監督が往路優勝後に「復路も攻める。大会記録の更新を狙う」と宣言した通り、ライバルはおらず、2年前のチームの幻影と戦った。大砲はいないが、エントリー全16選手が1万メートルを28分台の走力は史上初。原監督が歴代チームと比較しても「史上最強」と呼ぶ、手塩にかけたチームだった。青学大による「パワフル大作戦」は、記録にも、記憶にも残る大成功となった。

胴上げされた原監督は「アッパレ快走。アッパレと褒めてあげたい。学生たちの素晴らしさを感じました」と満面の笑み。勝因は選手たちの自主性にあったと口にした。

2位には10分51秒遅れで順大が続き、3位駒大、4位東洋大、5位東京国際大、6位中大、7位創価大、8位国学院大、9位帝京大、10位法大となった。

◆監督別優勝回数メモ 箱根駅伝を主催する関東学生陸上連盟の公式記録によると、総合優勝をした各大学の監督が明記されているのは64年40回大会以降。その記載によると、最多は45回大会から5大会連続優勝を含む8回優勝した日体大の岡野章監督だ。続くのが今回の青学大・原晋監督と、順大・沢木啓祐監督の6回だ。現役監督では、駒大の大八木弘明監督、東洋大の酒井俊幸監督が3回の優勝を数える。