仙台育英オールスターの宮城が、トップ京都と37秒差の2時間15分42秒で3位に入った。全9区間のうち中学生2人を除く7区間で現役・OG含めた同校勢が出場。1区(6キロ)杉森心音(仙台育英2年)が区間3位の19分14秒で好発進した。4区(4キロ)米沢奈々香(同3年)も東京五輪1万メートル7位入賞の長崎・広中璃梨佳(21=日本郵政グループ)が高校時代の18年に打ち立てた、区間記録に2秒差に迫る12分34秒でまとめて区間2位。東北勢は福島が2時間17分58秒で8位入賞、青森28位、秋田30位、岩手36位、山形43位だった。

【都道府県対抗女子駅伝】京都が優勝 群馬・不破聖衣来は13人抜き/詳細

東北勢は福島が2時間17分58秒で8位入賞、青森28位、秋田30位、岩手36位、山形43位だった。

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宮城のヒロインたちが、新春の都大路で躍動した。目標の優勝には届かなかったが、終盤まで先頭争いを演じて3位。昨年12月の全国高校駅伝でエースとして仙台育英を優勝に導いた、米沢が異次元の走りを見せた。今大会大注目の「フワちゃん」こと群馬・不破聖衣来(せいら、拓大1年)と並走する場面こそなかったものの、タイムではほぼ互角の戦い。不破は広中がかつてマークした区間記録を3秒更新。米沢はそれに5秒届かずも、大学陸上界のホープに劣らない内容で、新たなスター誕生を予感させた。

米沢は第3中継所でトップ兵庫と24秒差の3位でスタートし、前へ前へと先頭を必死に追いかけた。残り500メートル付近で首位に浮上。「3キロ目の上りをいかに攻略するかが鍵になると思っていて、あまり落とさずに走れた」。2位福岡に6秒先着する12分34秒の好走。「(佐藤広樹)監督からは12分45秒、自分では12分40秒を目標にしていて、2つとも切れて満足できる結果だった」。5区山中菜摘(仙台育英3年)に笑顔でタスキをつないだ。

先月の全国高校駅伝はエース区間1区で区間賞を獲得し、2年ぶりの優勝に貢献した。今大会の宮城は補欠含めて仙台育英の現役・OGがメンバー13人中10人を占めるタレント軍団。「みんな、仲が良くて絆が深いチーム」の言葉どおり、一致団結して結果につなげた。「みんなで勝ち取った3位。後悔のないレースになった」と胸を張った。

1学年上の不破とも堂々渡り合った。「同じ区間と聞き、本当に有名で速い選手なので、一緒に走れるいい機会だった。『自分の走りでどこまで戦えるか』という感じでしたが、そこまで離されずに終われたのは次につながる」。今春からは全日本大学女子駅伝で5連覇中の名城大(愛知)に進学。大学陸上界を席巻する不破とのライバル物語が、いよいよ幕を開ける。【山田愛斗】

○…杉森が1区区間3位と好走し、大学生、実業団選手もエントリーした重要区間でレースの流れを作った。「自分だけでなく全員がいい走りをしてくれて、素晴らしい3位という結果につながった」。区間2位で東京五輪1500メートル8位入賞の兵庫・田中希実(22=豊田自動織機TC)とは15秒差だった。「離れてしまいましたが、田中選手の次の区間順位で、オリンピアンの方と走れたのは何よりも良かったです」と笑顔で振り返った。