桐生祥秀(26=日本生命)が、100メートルで今季の国内初戦に臨み、10秒18で優勝した(追い風1・5メートル)。

日本グランプリシリーズ出雲大会、吉岡隆徳記念第76回出雲陸上競技大会の注目の男子100メートル特別レース決勝で、好走した。

「初戦としては、悪くも良くもない。久々の有観客で声援もうれしいし、この地に来て良かったです」と笑顔で話した。

午前の予選は10秒12(追い風2・1メートル)で1着。全体1位で決勝に進んでいた。決勝のタイム10秒18については「公認として(10秒)1台を出せたのは(今季の)スタートとして良かった」と振り返った。

昨季は苦しい1年を過ごした。昨年5月下旬に痛めた右アキレス腱(けん)の負傷なども響き、東京オリンピック(五輪)では個人種目で代表の座をつかめなかった。今季は7月に世界選手権(米オレゴン州)が行われる。「去年個人で成績が出せなかったので、代表になっていかないと。僕ももう(12月で)27歳になるので、だんだんオリンピックと言ってられなくなってくる。毎年毎年しっかりいきたい」と意気込んだ。

次戦は29日に広島で行われる織田記念に出場予定。中4日となる。世界選手権の参加標準記録が10・05で、手応えを問われると「(織田記念で突破する可能性は)ありそう。勝敗も意識しながらやりたい」と話した。【佐藤礼征】