世界選手権(7月、米オレゴン州)の代表選考会を兼ねた日本選手権は2日目を迎える。注目の男子100メートル決勝など見どころを紹介する。

◇男子100メートル決勝

午後8時30分から行われる「日本一決定戦」。準決勝では、昨年1位、2位の多田修平(住友電工)とデーデー・ブルーノ(セイコー)が敗退した。波乱が起きる中で、準決勝をトップで通過したサニブラウン・ハキーム(タンブルウィードTC)が、優勝の本命となりそうだ。

予選は終盤をやや流しながら10秒11(無風)、準決勝では、世界選手権の参加標準記録(10秒05)を100分の1秒上回る10秒04(追い風0・8メートル)をマークした。3位以内に入れば代表に内定する。

東京五輪200メートルで予選敗退に沈んだ昨年度は、「歩くだけで神経痛」と振り返るほどのヘルニアによる腰痛に苦しんでいた。大会前に「(今は)全然治っている」と強調した通りとなった予選、準決勝の走り。天候などの条件次第では、自己記録の9秒97も視野に入ってくるかもしれない。

サニブラウンの対抗馬として、18歳の大器にも期待がかかる。柳田大輝(東洋大1年)は、準決勝では自己ベストを更新する10秒16(無風)をマークして、群馬・東農大二高2年時の20年から3年連続でファイナリストに名を連ねた。

右太ももの違和感を取り除いて参戦した桐生祥秀(日本生命)は、組4着ながらタイムで拾われて準決勝突破。やや心配な内容となったが、元日本記録保持者として決勝では意地を見せたい。東京五輪代表の小池祐貴(住友電工)、坂井隆一郎(大阪ガス)、鈴木涼太(スズキ)らも食らいついていく。

◇女子1500メートル決勝

東京五輪8位入賞の田中希実(豊田自動織機)が、世界選手権の内定を懸ける。

今大会は800メートル、5000メートルを含めて3種目にエントリー。5月には米オレゴン州ユージーンでダイヤモンドリーグに出場し、海外の猛者と“世陸前哨戦”を繰り広げた。結果は4分7秒43の15位で上位には絡めなかったが「世界の中でもっと戦えるようになるにはどうすればいいかというのを肌で感じられた」と収穫があった様子。さらに成長した姿を見せられるか。

◇女子100メートル障害予選、決勝

4月に日本記録を更新した青木益未(七十七銀行)が“タフ”な1日に挑戦する。

予選は午後4時45分、決勝は午後7時33分に行われる中で、約40分後の100メートル決勝にも進出している。1日最大3レース。「考えすぎずに走りたい」と笑顔で意気込んだ。

◇男子400メートル障害予選

唯一世界選手権の参加標準記録(48秒90)を突破しているのが、東京五輪代表の黒川和樹(法大3年)。黒ぶちメガネにヘアバンドがトレードマークという個性派は、3位以内に入れば代表に内定する。