北海道栄の納村琉愛(るな、3年)が女子100メートルと400メートルリレーを制し、14日の100メートル障害と合わせ3冠を達成した。同3種目の同一年制覇は、東京オリンピック女子100メートル障害日本代表の寺田明日香(32=ジャパンクリエイト、恵庭北)が07年に成し遂げて以来15年ぶり。憧れの選手と同じ道をたどり、全国で頂点を狙う。

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納村の顔がほころんだ。女子100メートルを制し、直後の同400メートルリレーでは北海道栄の初優勝に貢献。14日の100メートル障害と合わせ3冠を成し遂げた。同種目の3冠は07年の寺田以来15年ぶり。尊敬する選手と同じ道に「1回ラグビーにいって、そこから戻ってきているのが本当にかっこいいなと思ってました。同じ北海道ということもあるので憧れの選手。うれしいです」と笑みを見せた。

100メートルは記録を狙って攻めた。「スタートがめちゃくちゃはまって、どんどんいけた」。序盤からスピードに乗り、2位に0秒09差でフィニッシュ。追い風プラス3・2メートルで参考記録ながら、18年恵庭北時代の御家瀬緑(21=住友電工)の持つ大会記録(11秒63)に迫る自己ベストの11秒70をたたき出した。「追い参の中でも出せたのはよかった」と手応え十分のレースだった。

ハードスケジュールの中で結果を残した。12日まで大阪で行われていたU20日本選手権に出場。今大会は予選と決勝を合わせ3種目で9レース。それでもプロテインなどの栄養摂取や、十分な睡眠でコンディションを維持し「日本選手権の後の疲労があった中、参考でもベストを出せたのはすごくよかった」と話した。

納村の目はすでにインターハイへ向いている。目指すのはもちろん頂点。「(100メートル障害は)13秒5、(100メートルは)追い参じゃなくても11秒7を出して、両方(優勝を)狙いたい」と意気込んだ。【山崎純一】