日本選手権覇者の福部真子（26＝日本建設工業）が、12秒82（追い風0・9メートル）で日本新記録を樹立した。1組8着に終わり、決勝進出は逃したものの「感極まってしまった。無我夢中だった」と万感の思いだった。
同走のアムサン（ナイジェリア）が従来の記録を100分の8秒上回る12秒12の世界新記録をマークするハイレベルなレース。「世界の壁を感じた。速すぎて笑っちゃうくらい。（自身が）13秒台と思うくらいだった」。それでもスムーズにハードルを跳び越えて、6月にマークした12秒93の自己ベストも大幅に更新した。
広島皆実高時代にインターハイ3連覇を果たしたものの、日体大進学後は伸び悩んでいた。一時期は重荷に感じていた「インターハイ3連覇」という肩書が「日本記録保持者」に変わり「自分でも追いついてない」と実感が湧かない様子だった。
4月に12秒86の前日本記録を更新した青木益未（28＝七十七銀行）や、元日本記録保持者の寺田明日香（32＝ジャパンクリエイト）を追いかけ、切磋琢磨（せっさたくま）してきた。「国内のレベルも高いし、来年あたりには（日本記録を）超えていると思う。まだまだ2人の背中を追いかけたい」と満足とは程遠い様子だった。
