男子1500メートルで仙台育英・小野真忠(2年)が、完全優勝を決めた。土砂降りの悪条件の中、1度もトップを譲らず、3分58秒19の好タイムでゴール。同校の尾田悠翼(1年)も4分0秒45で3位に入った。小野の専門種目は、5000メートル。1500メートルは中学2年以来のレースだったが、12月の全国高校駅伝(都大路)初出場に向けて弾みをつけた。

小野に大雨は関係なかった。スタート直後から先頭に立つと、400メートル、800メートル、1200メートルといずれもトップで通過。残り300メートルでラストスパートをかける。2位の聖和学園・山田悠人(2年)と競り合いが続いたが、1秒21差で先着。「駅伝とかにつなげたい思いがあり、実績をつくる面でも優勝を狙っていました」。悪条件で4分切りも「タイムはもうちょっと縮められたかなというのは反省点です」。5月の県高校総体は3000メートル障害で2位。今回の1500メートルは高校初優勝となった。

石巻市出身で仙台育英の強い選手が集う環境にひかれた。「県内で一番速いところでもまれたい」と入学。5000メートルの自己ベストは14分35秒25で、チーム内では「12、13番手ぐらいです」という。

仙台育英は昨年の全国高校駅伝で3位入賞を果たした。自身はサポートメンバーで帯同し、現3年生4人は4~7区で出場。「実際に走っている選手を見て、来年はここで走りたい」と刺激を受けた。「今年は都大路で出走して経験を積み、3年生になる来年につなげる走りをしたいです」。メンバー争いは熾烈(しれつ)だが、好走してアピールを続ける。【山田愛斗】