男子3000メートル日本中学記録(8分15秒04)保持者の福島県・増子陽太(鏡石中3年)が、王者への第1関門を突破した。少年男子B3000メートル(中学3年、高校1年の部)予選で、危なげなく決勝進出。全体7番目のタイムだが、予選2組を8分23秒92で1位通過した。今日10日の決勝は粘り強く優勝を狙う。

中学生最強ランナーの増子が、国体王者へ突き進む。中学3年、高校1年が出場する少年男子B3000メートル。予選2組でスタートすると、レース序盤は2番手につけ、1000メートルを通過したところでトップに立った。残り700メートル付近で2位に後退したが、同200メートル付近で再逆転。この組でトップの8分23秒92でゴールした。

予選1組で1位通過した千葉県・鈴木琉胤(るい、八千代松陰1年)が8分19秒33をマークし、同組の2位から6位も8分20秒台と高速レースが展開された。増子のタイムは全体7番目となったが「確実に決勝に行くことだけを考えていました」。自らに課した最低限の目標は達成。5日に福島県中学駅伝を走り、中3日での国体で疲れは残っていたが「ラストは気持ち良く上がれた」と手応えを示しつつ、「明日(決勝)に向けて、いい刺激になりました」と力を込めた。

増子は8月10日に青森で開催された東北中学陸上で、男子3000メートルの日本中学新記録となる8分15秒04を打ち立てた。「積極的に引っ張るレースが合っていると東北大会のときに、あらためて実感しました」。今大会は力のある高1ランナーが多く、「国体では前に出ることはないと思うが、周りがきついときに自分が上げるというようなレースをやりたいです」。粘り強く走り、優勝戦線に食らいつく。

予選1組を引っ張り、トップでゴールした千葉県・鈴木から大きな刺激を受けた。「予選から積極的に走っていて、ああいう選手に僕もなりたいと思っています」。決勝では鈴木との競り合いも覚悟する。「その選手に勝てれば記録もおのずとついてくるので、まずは順位を意識して勝ちきることが目標です」。勝負にこだわり、高校生から優勝をかっさらう。【山田愛斗】