前回王者のHondaが、史上7チーム目となる2連覇を果たした。4時間48分6秒だった。

初優勝を飾った前回大会から3人メンバーを入れ替えながらも、2位の富士通とは46秒差を付けての圧勝。1年間にわたって磨いてきた総合力が光った。

最後まで緩むことはなかった。アンカーを務めた7区・木村慎が安定感のある走りを見せてトップでゴールテープを切ると、後輩たちが明るく出迎えた。木村慎は「後輩たちの顔を見て安心した。優勝メンバーになれて本当にうれしい」と喜んだ。

序盤から上位でレースを組み立てた。1区から3区までの前半戦で2~7位でレースを展開し、4区の小山直城で初めて先頭に立った。5区青木涼真も続いた。昨夏の世界選手権代表。前回に続きエース区間を任され、指揮官の期待に応える好走で区間賞(15.8キロ=45分47秒)を獲得。これでさらに差を広げた。6区では前回区間賞の中山顕が区間2位の好走でタスキをつなぎ、最後はベテランの木村が締めた。

大会目前での主力選手の欠場にも動じなかった。2大会連続で最長の4区を任されていた東京五輪代表の伊藤達彦が体調不良により出られなかったが、1年間にわたって作り上げた層の厚さがいきた。

「達彦に頼らなくても、昨年よりも強いメンバーが作れた。正直今回は優勝できると思っていた」(小川智監督)と自信たっぷりに指揮官が語るほどの充実した戦力が育った。

7区の木村も言う。「去年は若いチームで優勝してうれしい半面、自分含めた出れなかったベテランが悔しい経験をした。優勝に関わりたいと1年間やってきて、頼もしい後輩とともに成長できた」。

黄金時代を迎えつつある。既に3連覇も視界に捉える。5区の青木は「頼もしい先輩がうしろに控えているので、一緒に今回を上回る走りができれば」。6区の中山は「もっと自分も力を付けて、この1年間もっと力をつけて貯金が作れる選手になりたい」と誓った。【平山連】

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