陸上界のニューヒロイン候補で岡山のドルーリー朱瑛里(しぇり、岡山・津山鶴山中3年)が3区で区間新記録を樹立した。 38位でタスキを受けると、あっという間に17人を抜き去った。背筋の伸びたフォームで、3キロを9分2秒で駆け抜けた。

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中学3年生女子の快走で都大路に衝撃が走った。シドニー五輪女子マラソン7位で、岡山の山口衛里監督(50=天満屋女子ヘッドコーチ)もドルーリー朱瑛里の素質の高さに太鼓判を押した。「走りが全然、違います。中学生の走りではないですね」と言い切った。

象徴的な光景がある。昨年8月、全日本中学校陸上競技選手権大会1500メートルを優勝。レース終盤、周りの走者は上体が激しく揺れて必死に両腕を振っていたが、ドルーリーは上半身がピタッと止まったまま。山口監督も「体幹がブレない走りをしている。このへん(腰回り)がしっかりしている。足が長いのもありますよね」と特長を挙げた。

腰高で、ストライドが大きい。「以前と比べても、走りが変わった。腕振り、腰の位置やピッチもそう。力がついてきた分、かなり走力もついています」。山口監督は99年東京国際で当時日本歴代2位の2時間22分12秒。00年シドニー五輪は転倒しながら、あきらめず7位入賞を果たした。

世界を知る目線から、ドルーリーに期待する。「ケガしないように、自分でしっかりコントロールして、ちょっとずつちょっとずつ上ってほしい。やっぱり壊したくない」。こんなことも明かす。「まだ補強(筋力トレーニング)をしたら弱いです」。伸びしろも無限大のニューヒロインが現れた。【酒井俊作】

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