早稲田大学陸上競走部が駅伝強化プロジェクトとして、初のクラウドファンディングを13日から開始した。「箱根の頂点へ。そして世界へ」と題し、選手強化のための寄付を募る。

第1目標は500万円で、個人強化を目的とした海外遠征、合宿の実施、パーソナルトレーナーによる個別指導や低酸素トレーニングジムを使用したトレーニングの実施費用に充てる計画。現在も大学から部活動の予算はつくが、短距離も含めて約100人の部員がいる活動を賄うには十分でなかった。

特に箱根駅伝を目標にした駅伝強化では、他大学は予算潤沢に強化を図るチームも出てきているのが現状。選手の自己負担額も大きい面を鑑みて、新たな試みに踏み切った。

昨年6月に監督に就任し、今回のクラウドファンディングを主導した花田勝彦監督は、「『早稲田から世界へ』というテーマの元で選手を育てることを考えたときに、海外に行く機会を作ってあげたかった」と説明した。自身も早大4年時に欧州遠征をしたことが、その後に五輪出場するランナーに成長する1つのきっかけとなった。

チームは箱根駅伝では、22年大会の13位でのシード落ちから、23年大会は6位と復活への一歩を記した。ただ、総合優勝でみれば、3冠を達成した11年が最後。12年間も栄冠から遠ざかり、箱根駅伝自体の拡大路線の中で、強化費で差をつけられていけば、ますます優勝は遠のく。

早大にとって箱根の優勝が全てではないが、突出した個の育成に取り組むことで、名門の完全復活も見えてくる。

花田監督は就任後、「早稲田の場合は、名前で応援される選手を育てたい」と目標を掲げてきた。早稲田から箱根、そして世界へ。実現のためにかじを切った。

クラウドファンディングでは3月31日まで。寄付額は5000円から100万円まで8コースで、オリジナルタオル、選手寄せ書き、練習見学の招待、花田監督との懇親会などがお礼とした設けられている。

詳しくはこちら(https://readyfor.jp/projects/waseda-ac2023)