フルマラソン初挑戦となった駒大・山野力(4年)が2時間16分25秒(速報値)でゴールした。

序盤から先頭集団に食らいついた。序盤ではスペシャルドリンクを取り損ね、引き返す場面もあったが、日本記録(2時間4分56秒)を上回るペースのまま中間地点へ。25キロ手前では細谷恭平(27=黒崎播磨)の前を走った。しかし、その後は失速。駒大の先輩で日本人トップとなった山下一貴(25=三菱重工)に、10分以上の差を離されてフィニッシュした。

山野は大学駅伝「3冠」を達成した今年1月の箱根駅伝後、駒大を拠点としながら、42・195キロを走破できる練習に取り組んできた。2月下旬の取材で「これまで30キロを超えるような距離を踏んだ練習は、1度もしたことがなかった。練習で40キロを1回走ってみましたが、やってみるとキツかった」と打ち明けていた通り、後半は苦しいレースとなった。

同大の大八木弘明監督は、教え子の初挑戦を現地で見届け、「初マラソンですし、学生なのでそこまで練習をしていないので。マラソンの怖さやキツさを感じたと思います」と振り返った。

山野にとっては、これが駒大でのラストラン。卒業後は福岡を拠点とする九電工へ進み、マラソンに力を注ぐとしている。4年間を指導した指揮官は「実業団に入って、マラソン2回目できちっと結果を出したりもすると思う。いい経験になったんじゃないかな」と今後の糧とすることを願った。

◆山野力(やまの・ちから)2000年5月22日、山口県宇部市生まれ。山口・宇部鴻城高2年時に中国高校新人選手権5000メートルで優勝。特例で出場した22年2月の全日本実業団ハーフマラソンで1時間0分40秒をマークし、当時の日本人学生最高記録を更新。箱根駅伝では2年時から3年連続9区出走。身長176センチ。