男子1500メートルで学法石川(福島)がワンツーフィニッシュを飾り、今夏の全国高校総体(インターハイ)出場を決めた。斎藤一筋(いちず、3年)が3分59秒21で高校初優勝。増子風希(3年)は0秒34差の3分59秒55で2位に入った。

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大激戦の男子1500メートルで、学法石川・斎藤がド派手なガッツポーズを決めた。チームメートの増子風とともに残り200メートルで後続を突き放し、得意のラストスパートでさらにスピードアップ。同100メートルで1歩前に出て、わずか0秒34差の決着。右手人さし指を高々と突き上げ、高校初優勝を成し遂げた。「有言実行できるように」と左手には「優勝」の2文字を書き込んでレースに臨んだ。残り1周を約54秒で走り、見事に公約を果たした。

福島県高校総体では斎藤が3位で増子風が2位。このレースで一番マークしていたのは「増子」と話すように、「ずっとライバル心を持って練習している」チームメートとのデッドヒートを制してみせた。

一筋(いちず)という名前には「何ごとにも一途に、負けたとしてもめげずにそのまま行きなさい」との思いが込められている。中学には陸上部がなく、卓球部に所属しながら「特設陸上部」として朝練習だけ活動。それでも「小さいときから走るのが好きで、負けて一番悔しかったのが陸上」と高校から本格的に競技を始め、日本一を目指して走りを磨いている。

憧れの存在と同じ東北高校陸上の1500メートルを制した。学法石川で2学年先輩の山口智規(早大2年)が、21年の同大会で優勝。「自分が得意としているラストスパートが山口先輩もすごい。1年生のときに目の前で優勝したのを見て、『おまえも優勝できるよ』と言われていた」。その言葉に奮起し、結果を残した。

斎藤は800メートルにもエントリー。「まずは800で確実にインターハイを決め、(全国高校総体は)2種目で優勝を狙いたい」と意気込む。目標の中長距離全国2冠へ一途に突き進む。【山田愛斗】

 

2位の増子は「一番の原因は彼(斎藤)のラストに負けてしまったこと」と悔しさをあらわにし、「(斎藤は)良いライバルであり良い友。これを糧に、全国でも勝負できたら」と意気込んだ。

 

男子400メートル 米沢中央(山形)の白畑健太郎(3年)が圧倒的な走りで大会2連覇を果たした。昨年の自身の優勝タイム48秒95を0秒89上回る48秒06をマーク。150メートルを過ぎたころにはダントツのリード。そのまま冷静な表情でフィニッシュラインを駆け抜けたが「まだ自分の走りができていない。良さが出し切れていない」。「考えすぎて力んだり…、スピードを殺しているような感じ」と反省点を挙げた。全国に向け「インターハイ入賞を目指し、自分の走りができるようにやっていきたい」と目標を掲げた。思考をクリアにして、全国でさらにスピードアップする。