陸上男子200メートルで6月の日本選手権を制した鵜沢飛羽(とわ、20=筑波大)が、アジア選手権(12~16日、タイ・バンコク)での初優勝を誓った。

10日、同大会に向けての出国前に羽田空港で取材に応じ「記録よりも順位。まずはアジアを取りたい」と言い切った。

宮城・築館高2年時に全国高校総体(インターハイ)で、100メートルと200メートルでの2冠を達成。筑波大進学後は左足のケガなどもあったが、3年目の今季は5月の静岡国際で追い風参考ながら20秒10(追い風2・6メートル)をマークし、日本選手権も20秒32(向かい風0・2メートル)で優勝した。

8月の世界選手権(ブダペスト)の参加標準記録(20秒16)は突破していないが、世界ランキングで出場圏内につけており「今年は調子がいい」と充実感が漂う。

今大会で初めて日本代表に選出された。「背負わず、気負わず、自分らしくいこうと思っている。何も変わらずやりたい」。2度目の海外でのレースにも「誰と走ろうが自分の走りをするだけなので、日本で走ろうが、学校で走ろうが、海外で走ろうが、どこで走っても変わらない」と落ち着いた口調で意気込んだ。

「飛羽」という名前の由来は「親が付けてくれたんですけど、鳥のようにどこかに飛んでいってほしかったらしい」。報道陣から「世界に羽ばたくという意味もあるか?」と尋ねられると「そういうのはないです」と苦笑い。自然体で走り切り、その名を世界にとどろかせる。【藤塚大輔】