陸上女子のドルーリー朱瑛里(15=岡山・津山高1年)が表彰台に上がった。1500メートル決勝で4分15秒50をマークして3位。東京五輪1500メートル8位入賞の田中希実が持つ高校1年の最高記録(4分15秒55)を塗り替えた。優勝したケニアからの留学生カリバ・カロライン(神村学園3年)の4分6秒54には及ばなかったものの、高い潜在能力をみせた。4日は女子800メートル予選への出場が控える。

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ラスト200メートルから勝負をかけた。大会新記録で優勝したカリバ・カロラインら留学生に続く3位集団を振り払うように、鋭い腕振りで視線の先を追う。前を走る選手との差が縮まっていく。まさに「2~3番手につけて、様子を見ながらラストでもう一段階上げる」というプラン通りの展開だった。

持ち味のラストスパートで猛追し、6月に記録した自己ベスト(4分16秒76)をさらに上回る好記録をマーク。高校1年生としては歴代最高のタイムで、憧れの田中希実が兵庫・西脇工1年時に出した4分15秒55を0秒05更新した。

大舞台にひるむことなく力を尽くし、華々しいインターハイ・デビューを果たしたドルーリーは「成果をしっかり発揮できた。良かった」と喜んだ。表彰台に立ったが、満足はしていない。ラストの直線で猛追するも2位に1秒57及ばず、心残りがあった。「もうひとつ順位を上げられたかもしれないという悔しさが残った」。

かつてないレベルの選手と走ったことは発奮材料となった。「ラストスパートを大会で通用できるように鍛えていきたい」。さらなる成長へ意欲が高まった。

予選となる6月の中国大会で、800メートルとの2冠を果たした15歳。4日の800メートル予選にも出場を予定している。「800メートルでも、力を最大限に出せるように」。中学時代から夢見た舞台で、自分の走りを見せつける。【竹本穂乃加】

▽女子1500メートル決勝 (1)カリバ・カロライン(鹿児島・神村学園)4分6秒54=大会新(2)ジェシンタ・ニョカビ(神奈川・白鵬女)4分13秒93(3)ドルーリー朱瑛里(岡山・津山)4分15秒50

◆ドルーリー朱瑛里(しぇり)2007年(平19)11月16日、岡山・津山市生まれ。カナダ人の父と日本人の母を持つ。小学4年時、地元の津山ジュニア陸上競技教室で始める。小学6年までは陸上と並行してバスケットボールにも親しんだ。昨年の全国中学校体育大会女子1500メートルで4分23秒79で優勝した。同年U16陸上大会女子1000メートルは2分45秒84で優勝。趣味は絵を描くこと。身長157センチ。