全力投てきで、昨夏の悔しさを晴らす。

今月19日開幕の陸上の世界選手権(ブダペスト)の男子やり投げ代表に選出されたディーン元気(31)が7日、所属先のミズノのオンライン会見に出席。2大会連続の世界舞台へ「数字を意識するとそこまでになってしまう。去年以上に思い切った投げをしたい」と闘志を燃やした。

昨夏の世界選手権は、12年ロンドンオリンピック(五輪)以来、10年ぶりとなる世界大会だった。故障からの復活を印象づけたが、決勝9位で入賞を逃した。

「悔しい思いをしたので、今年は同じ思いをしないように」とディーン。やり先が右側へそれる癖を改善するため、オフは真っすぐに投てきする練習を重ねてきた。下半身の動きのスピード感も磨き、今季は4試合で82メートル超えをマーク。7月中旬のアジア選手権では、シーズンベストの83メートル15を投げ「去年よりはアベレージも高い」と手応えをつかんでいる。

ブダペスト大会では日本記録の87メートル60超えも見据えるが、あえて具体的な目標は立てていない。

「限界を作らずにやりたい技術ができた結果、どこまで飛んでいくか分からない投げをしたい。ここ2年は82、83メートルでうろうろしているので、それを一気に突き破れるよう、自分に限界を設定せず、思い切ってやりたい」

31歳で迎える2度目の世界選手権。リミッターを解除し、特大の放物線を描いてみせる。【藤塚大輔】

○…2大会連続で代表入りした佐藤風が、成長した姿を見せる。ディーンとともに会見に参加。昨夏の世界選手権では400メートルに出場も準決勝で敗退した。フィジカル面に課題を感じ、まず食生活を改善。「準決勝は全力を出して決勝に残りたい」と力を込めた。前回大会4位の1600メートルリレー要員にも選出され「(昨年は)決勝にいくのがチームの目標だったが、今年はメダルを狙ってきた」と自信をみなぎらせた。