世界選手権初出場の田中佑美(24=富士通)が13秒12(追い風0・4メートル)で予選敗退となった。

号砲への反応速度が8人中最下位と出遅れると、中盤以降も上位陣に引き離された。ハキハキとした口調で「思った通りに走らせてくれませんでした」と回顧した。

今季は5月21日のセイコーゴールデングランプリ(GGP)で自己ベストとなる12秒89を記録。6月3日の日本選手権でも3位に入り、世界ランキングで代表入りした。

ただ、世界の壁は高く、同組では6人が12秒台をマーク。「今まで普通に走れば12秒台は出せた。自分との戦いだった」と受け止めた。

初のオリンピック代表が懸かるパリ五輪へは「実力をもう1段階、2段階上げていかないととあらためて感じた。国内でも負けないように、実力を上げることにフォーカスしたい」と見通す。

今大会はあえて海外勢のアップなどは見ないようにした。1つの思いがあった。

「せっかくの勉強の機会ではあるんですけど、自分は勉強ではなく、レースに来たので」

真剣勝負の場で得た実感を、この先へとつなげていく。