日本インカレの男子100メートル予選で、仙台大・大上直起(大学院2年)が全体2番目のタイムとなる10秒26(追い風0・2メートル)で準決勝に進出した。今大会のランキングリストは今夏世界選手権に出場した東洋大・柳田大輝(2年)に次ぐ2位(10秒15)。自身初の日本一を目指し、15日の準決勝、決勝に臨む。

 

岩手県出身の新鋭スプリンター大上が好発進した。男子100メートル予選。得意の中盤以降にぐんぐん加速すると、余力を残したまま10秒26でゴールラインを駆け抜けた。全体2番目のタイムで準決勝進出。「感覚が良くて、予選を走ってみて、実際に確信できた部分もある。今日で刺激が入って、また明日以降も今日よりもいい走りができるんじゃないかなという感じですね」と振り返った。

今夏、全国的に無名の存在から一躍注目選手となった。7月1日に行われた岩手県選手権で追い風2・6メートルの参考記録ながら10秒06をマーク。同29日のアスリートナイトゲームズ福井では自己ベストの10秒15(追い風0・8メートル)を刻み、仙台大記録を更新するなど一気にタイムを伸ばしてきた。「自分は中盤以降が1番の強み」と分析した上で「勝てるレースパターンが確立されたことが大きい」というのが好調の要因だ。

今日15日には準決勝、決勝が行われる。東洋大・柳田、筑波大・鵜沢飛羽(3年)ら強力なライバルと頂点を争う。「目標は優勝しか見ていない。記録としては10秒0台を明日の準決勝、決勝と状態を上げて、出せればいいかなと思います」。自己ベストをさらに更新し、初の日本一をつかむつもりだ。【山田愛斗】