少年男子A走り幅跳びで、福島・曲山純平(日大東北3年)が7メートル43(追い風1・1メートル)で2位に輝いた。1位に2センチ及ばなかったが、01年に樹立された福島県高校記録(7メートル42)を22年ぶりに更新。宮城・土屋拓人(聖和学園2年)は7メートル34(同0・7メートル)で3位、山形・殿岡稟太郎(米沢中央3年)は7メートル25(同1・1メートル)で4位と東北勢3人が入賞した。

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曲山が予想外? の大ジャンプで、福島県高校記録を22年ぶりに塗り替えた。3回目に7メートル27(追い風1・3メートル)をマークし全体3位でトップ8に進出。5回目の試技でさらに記録を伸ばした。観客に手拍子を求め、NO・1ポーズで気持ちを高める。「いきまーす」と飛び出し、勢いそのままに踏み切った。昨年5月にマークした自己ベストを3センチ上回る7メートル43の跳躍を決め、右拳を握った。

「最後の最後の試合で7メートル43という自己ベストを1年半ぶりに出して、やっぱり神様はいるんだなっていうふうに思いました」

まさかのルーティン失敗が好記録を生んだ。通常は40メートル50の位置からスタートするが「冷静に考えたら(目印が)41メートル30に置いてあって、何でかなと思いながら出たら、うまくハマった」。思わぬ形で助走距離が伸びたことが奏功した。

昨年の全国高校総体で8位の実力者も、今年は入賞を逃した。一方、入学直後から面倒を見てきた後輩の君島凪冴(なぎさ、日大東北2年)が全国3位。「いつの間にか自分を超すぐらいの選手になり、本当に良いライバル」と週に1度、短助走や5段跳びなどさまざまな項目で勝負し、お互いに高め合ってきた。君島からは国体直前に「純平先輩なら大丈夫」と激励され、結果で応えてみせた。

高校最後と位置づけた今大会は2センチ差で優勝に届かなかった。来季に向けて「2センチを追い続けながら頑張りたい」。大学でも競技を続ける予定。「来年のU20世界選手権を狙い、福島を今回は背負うことができましたけど、日本を代表するような選手になりたい」。大志を抱いて大ジャンプにつなげる。【山田愛斗】

○…少年女子A300メートルは東北を代表するスプリンターがダブル入賞を果たした。決勝レースは全国高校総体200メートル5位の秋田・三浦夏恋(秋田令和3年)が自己ベストの38秒53で5位、同400メートル2位の山形・赤坂美結(山形中央3年)が38秒67で6位だった。

三浦は「300メートルは入賞を目標にしていて、しっかり目標タイムで走れた部分が良かった」。高校3年間では100メートル、200メートル、300メートル、400メートルと幅広くレースに出場。大学進学予定で「自分が一番上を目指せる可能性のあるものを見つけて、また頑張っていきたい」と力を込めた。

赤坂は「自己ベストが出なかったのとインターハイが(400メートルで)2番で優勝してリベンジしたいと思っていたので、すごい悔しいです」。高校卒業後は大学で競技を継続する。「日本一を取ってから世界で活躍できる選手になりたい」と今後を見据えた。

▽宮城・日下秀也(仙台育英3年=少年男子A100メートル決勝は10秒54で6位)「全国で経験したことを生かし、決勝とかは通過点ぐらいの選手になりたい」